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日本人の多くが抱える歯の悩みとして代表的なものに知覚過敏があります。
歯科治療といえば、虫歯治療や歯周病治療、それに伴う予防治療などが挙げられます。最近ではうしなった歯をインプラントによって再生させようという試みも盛んに行われています。
その中で知覚過敏に関する悩みは、若い人の中でも歯医者さんに相談する人が多いと言われています。
知覚過敏の症状としては、冷たい飲み物を飲んだと時に歯にしみたり、歯磨きの最中に歯ブラシの毛先が歯に当たった時に鈍い痛みを感じたりすることが代表的でしょう。
ではこの知覚過敏は、どういった仕組みで起こっているのかを考えましょう。
そのためには、まず歯の基本的な仕組みを知る必要があります。よく虫歯が進行しすぎた人などが歯の神経を抜いて痛みを解消するという処置がとられますが、歯にも神経が通っていて動脈や静脈ともつながっていいます。それらと歯をつないでいる歯の核とも呼べる部分に歯髄というものがあります。そしてその周りを象牙質が覆っており、さらにその外側に人間の体の中でもっとも固いと言われるエナメル質が覆っています。
通常、このエナメル質に守られている限り外からの刺激というものは受けにくいのですが、何かの拍子にこのエナメル質が失われて象牙質がむき出しになると、直接この部分が刺激され歯に不快な痛みを感じることになります。
象牙質がむき出しになる原因はさまざまですが、強すぎるブラッシングなど間違ったブラッシングで歯が削られてしまったり、歯周病などの影響で歯茎が減退してしまうともともと歯茎に隠れていた歯根の部分はエナメル質に覆われていないために知覚過敏の症状が起こると言われています。
では実際に知覚過敏になってしまったら、どのような対処方法があるのでしょう。
知覚過敏の治す方法として、シュミテクトなどの知覚過敏用の歯磨き剤が連想されますが、この歯磨き剤に含まれている硝酸カリウムやフッ化ナトリウムなどの成分は、傷ついたエナメル質や象牙質の上にバリアのように張られ、刺激が伝わらず症状が改善する仕組みになっています。
しかしシュミテクトは継続的に使用しなければ効果がなくなって症状が再発してしまうこともあります。
知覚過敏により症状が出てしまったら、なにより歯科医の診察を受けて治療方法を聞いたほうがいいでしょう。歯科医院での知覚過敏の治療方法としては、症状のある部分に直接薬を塗布する治療が一般的です。また露出した象牙質をレジンや歯科用セメントで物理的に歯をコーティングする処置も行われています。
薬の塗布は数回に分けて行われるので、歯の検診も含めて定期的に歯医者さんに行って様子を見ることが大切です。
歯科医による治療とともに注目したいのが人間の体による自然治癒力です。
歯には自然に治癒する力が少ないと言われていますが、再石灰化と呼ばれる歯を修復する作用もあるのです。
ものを食べたり飲んだりすれば口の中が酸性になったり、歯にプラークが付着したりして、虫歯や歯周病など歯を失うリスクも上昇します。しかし、酸性になったあとそれをより戻すために口の中は再び中性になり、唾液の中のリン酸やカルシウムがすり減った歯に付着して石灰化しリカバリーする作用もあるのです。これを再石灰化と言います。
エナメル質や象牙質やセメント質は、ハイドロオキシアパタイトという石灰化したリン酸カルシウムからできています。まさに再石灰化は失われた歯を回復する作用であると言えます。
知覚過敏に関しては、歯科医のアドバイスを聞きながら正しいブラッシングや適切な食事方法、口腔ケアに関するメソッドを教えてもらいながら、再石灰化の効果なども期待しながら治療、予防に励んでいくことが大切でしょう。