訪問歯科診療って何??

Cさん
先生、私の父が入れ歯が合わなくて痛いと言っているのですが持病がある為、通院が難しいです。どうすればいいでしょうか?

先生
入れ歯が合わなくて困っているのですね。当院では歯科訪問診療も行っているので、ご自宅まで行って治療する事もできますよ。

Cさん
訪問歯科診療って何ですか?
先生
訪問歯科診療とは何らかの身体的・精神的な理由で歯科診療所に通院できない方に対し、歯科医師・歯科衛生士が自宅や介護施設や病院等に訪問し歯科診療や専門的口腔ケアを行うことです。

訪問歯科
歯科医院から16km以内にあるご自宅・病院・施設等が診療可能地域となります。

訪問診療範囲
※ 例)当院での診療可能地域です。

Cさん
どのような方が対象になるのでしょうか。
先生
在宅等で療養を行っており、疾病、傷病のために通院による歯科診療が困難な方が対象になります。なお、内科等の他科に通院している方は対象から除かれることがあります。
Cさん
新しい入れ歯の作製もできますか?
先生
訪問診療に必要な持ち運びの器具も揃えているので、入れ歯作製も可能です。また、虫歯の処置や超音波による歯石の除去もできますよ。

【訪問診療用ポータブルユニット】

訪問診療用ポータブルユニット
Cさん
歯石の除去も出来るのですね。
父は部分入れ歯で残っている歯が結構あるのでクリーニングもお願いしたいと思っていたので安心しました。

先生
そうなんです。
入れ歯の治療や虫歯の治療も勿論大事なのですが、感染や疾病の予防のために専門的な口腔ケアが重要になってきます。

 

在宅歯科医療には3つの柱があります

口腔ケア

  1. 1.歯科診療
  2. 2.口腔のケア
  3. 3.リハビリテーション

以上の3つの柱は、疾病の内容、ステージや時間の経過とともにその比重は変化していきます。多くの在宅歯科医療の中では3つの柱が同時に必要となります。
口腔ケアとは
口腔ケアは、広義には口腔のもっているあらゆる働き(摂食、咀嚼、嚥下、構音、審美性・顔貌の回復、唾液分泌機能等)を健全に維持する、あるいは機能の障害がある時、それをケアすることを指します。一方、口腔衛生管理に主眼を置く一連の口腔清掃と義歯の清掃を狭義の口腔ケアとしてこの言葉を使うときがあります。

    1. 1.専門的口腔ケア

専門的口腔ケアは様々なケースに対応できる能力を持った歯科専門職がケアを必要とされる方の身体、精神的状況や環境に配慮する形で口腔のケアプランをたて、実施する口腔ケアを指します。

    1. 2.なぜ口腔のケアが大切か

口腔の細菌数は生活行動や生理的作用によって1日の内でも大きく変動します。
長期臥床の入院患者さんや要介護者にとって口腔のケアがおろそかになれば、歯垢に加え、痰が舌と口蓋にこびり付き、細菌数が最大に達します。
さらに義歯が衛生的に管理されていなければ、細菌の温床となってしまいます。
このように感染や病気の原因となる細菌を減少させることは、疾病の予防につながります。
また口腔内をきれいに清掃すると食事がおいしくなったり、さっぱりして生活の質が高まります。

    1. 3.口腔リハビリ

脳血管疾患などの影響で口腔機能が低下してる場合や日頃、口を使わないことによる廃用性変化が起こっていることがあります。
このような場合、口唇、頬、舌を積極的に刺激し、口腔機能を高めたり、飲み込みを改善したりします。このことを口腔リハビリと言います。

    1. 4.歯科治療と口腔のケア、口腔リハビリの組み合わせ

ケアはご自分で行うセルフケアと歯科衛生士による専門的なケアがあります。
在宅医療においてはご自身によるセルフケアが難しいケースがほとんどです。
口腔リハビリでも同じことが言えます。
それゆえ、口腔の専門家がかかわり、どのような口腔のケアが必要か、それぞれの分担をどうするかをプランニングすることが重要です。

    1. 5.誤嚥性肺炎

肺炎を発症した高齢者の多くは、食事のときにむせこんだり、食べ物が喉につかえたりするという症状がなくとも、夜間睡眠中に唾液を下気道や肺に不顕的誤嚥していることがわかっています。
肺炎になると、栄養や免疫機能がさらに低下し、繰り返す不顕性誤嚥のために肺炎が反復、重症化し、ついには死に至ることも稀ではないのです。

    1. 6.歯ブラシの選択はたいへん重要

長年にわたって療養されている方の場合、適切に口腔清掃がなされていなかったり、う蝕(むし歯)と歯肉炎が広範囲に認められることが少なくありません。
長い間ブラッシングを行っていない場合、歯肉がひじょうに脆弱(弱く)になっており、ブラシの選択を間違えると大きなトラブルを起こすことがあります。
この様な時は、衛生的な軟毛のブラシが適切です。さらに最初は力を入れ過ぎたり、長い時間のブラッシングは避けるべきです。
歯肉の炎症の改善具合を見ながら、普通の硬さのブラシに替えていくことが可能です。
また柄が太くなった持ちやすい歯ブラシもおすすめです。また歯ブラシの後、口をよくすすぐことも大切です。

    1. 7.口腔リハビリによって口腔機能や嚥下機能の向上を図ります

脳卒中等の後遺症、また廃用(使わないことによる機能の変化)によって、歯と口唇、頬の動きの調和が崩れたり、食べたものをうまく飲み込めない方が、増えています。
このような場合、口腔機能の向上や嚥下機能を改善するような口腔の体操や口腔リハビリが大変有効です。
歯科訪問診療の中でも、症状によって口腔機能訓練や摂食・嚥下訓練も受けることが出来ます。

要介護者に対する口腔ケアの効果
対照群に比べて口腔ケア群では期間中の発熱発生率が低い対照群に比べて口腔ケア群では2年間の肺炎発症率が低い
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米山武義ら;要介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究.日本医学会誌,2001.Yoneyama T,Yoshida M,Matsui T,Sasaki H;Oral Care and pneumonia. Lancet 354:515,1999
Cさん
口腔ケアって、とても大事なんですね。
ちなみに治療の費用はどのくらいかかるのでしょうか?
先生
治療の内容や口腔のケアによって、治療費は変わりますが、原則として訪問診療料がこの治療費に加算されます。介護保険に入られていて、介護保険を使う場合は一定の介護保険料がかかります。
Cさん
なるほど。訪問歯科診療について色々知る事ができました!
先生、今日はありがとうございました!
先生
いえいえ。他にも詳しいことをお聞きしたければ、当院には訪問専門のコーディネーターもいますので何でも聞いて下さいね。

いつまでも快適なお食事を…

口から食べることは、生きる喜びにつながります。口から食べることによって病気の回復も早くなることが最近の研究でも明らかになっています。口から安全に食べれる様になることは我々の大きな喜びでもあります。